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建物の地震対策

いつ大きな地震がくるかわからないという不安は、私たち日本人なら誰もが共通して考えているのではないでしょうか。

今後も大きな地震が起こるといわれているため、家族を守る建物であるお家はできるだけ耐震性の高いつくりにしたいものです。

では、耐震性に優れた新築住宅を建てるには、どのような点に考慮する必要があるのでしょう。

まずは、耐震性に関わる構造についてご説明します。耐震性に関わる構造には、『耐震』『制震』『免震』の3種類があります。

『耐震』は、家の構造を強化することで揺れに耐える構造のことです。『制震』は制震部材を建物内部に組み込み、地震の揺れを吸収する構造です。『免震』は、地震による揺れを家に伝えないようにするために、家と地盤の間に免震装置を設置する構造です。

次に、耐震等級についてご説明させていただきます。耐震等級とは、住宅性能評価・表示協会が実施している『住宅性能評価制度』において、地震が起きた際に建物の倒壊しにくさや損傷の受けにくさを評価し、等級づけしたものです。等級の数字が大きいほど地震に対して強いことを意味します。耐震等級1は、震度6強~7の地震で倒壊・崩壊しないこと、震度5程度の揺れでは家が損傷しないことを表しています。耐震等級2は、等級1の1.25倍の強さが加わっても倒壊や崩壊、損傷を生じない程度です。耐震等級3は、等級1の1.5倍の強さが加わっても倒壊や崩壊、損傷を生じない程度になります。熊本地震における等級1と等級3の被害率は、等級3の住宅は9割近くが、無被害だったのに対し、等級1の住宅の無被害率は6割程度にとどまっています。

また、建物自体の耐震性能が優れていても、建物の地番や基礎に問題があると、その性能は十分に発揮されないため、地番なども考慮しましょう。

耐震性の高い家にするためには、構造・耐震等級、地盤などあらゆる要素を考慮する必要があります。そして、家づくりにおいてだけではなく、住み始めてからも家具を固定したり耐震ロックを設置したり、避難ルートを確認したりと各自での対策も重要です。