介護で苦労したら遺産を多くもらえるの?
「親の身体が不自由になり、自宅で介護しなければならない状態に。」
「兄弟はいるけれど、近くに住んでいる自分がなんとかしなければ…」
介護は身体的にも精神的にも非常に負担が大きいため、その見返りを求めてしまうのは仕方のないことです。
今回は介護で苦労した際に、他の相続人よりも多くの遺産を相続できるのかについてお伝えします。
□介護に苦労した分、評価してもらえる!?
親の介護を頑張ってきた場合、遺産の相続に影響はあるのでしょうか。
この問題について、具体的な例からその相続分について考えていきたいと思います。
*具体例
Aさんは三人兄弟の末っ子です。
母の他界後、認知症を患っている父が心配で同居して長い間熱心に介護をしてきました。
その父も亡くなり遺産を分けることになりました。
遺産の総額は1000万円で、三人兄弟で分けるとなると通常Aさんの相続分は約330万円です。
ですが他の兄弟2人に比べて長い間介護を頑張ってきたため、通常の相続分よりも多くもらいたいと考えています。
長い間介護を頑張ってきたという理由で、通常よりも多く遺産を相続できるのでしょうか?
この場合、被相続人の「財産の維持や増加に貢献した相続人」においては、通常の分割分よりも多くの財産相続を主張できる
「寄与分」という制度があります。(法定相続人に限る)
- 故人の看病、介護をした
- 故人の借金を肩代わりした
- 個人の事業に貢献した
ただし、この寄与分は相続人全員で話し合った上での合意によって決まるものです。
寄与分を請求するということは、言い換えると他の相続人の相続分を減らすということを意味します。
そのため、すんなりと寄与分が認められるケースは少ないのです。
自分が寄与分を貰えるくらいに被相続人を世話していると思った際には、被相続人の生前に遺言書を書いてもらうよう促せると良いでしょう。
□まとめ
今回は、被相続人の介護に従事したことによって、相続する遺産が増えるかどうかについてご紹介しました。
寄与分という言葉をあらかじめ知っておけば、介護に対する努力量を評価してもらえるように準備ができます。
ここでは簡単に解説しているだけであり、他にも寄与分を受け取るための制約などが存在します。
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