コラム

相続

遺言書が2つあるけどどっちが有効?優先順位の決め方とは

亡き親族の財産の行方を左右する遺言書。「遺言書が2つも出てきた!」なんて事態になったときどうすればよいかご存知でしょうか?

また、2つの遺言書の内容が矛盾している際、何を基準に、どちらが有効なのかを判断すれば良いのでしょうか。

今回は、遺言書が複数見つかってしまった場合の対処法についてご紹介します。

 

□まずはそれぞれの日付を確認する

 

有効な遺言書には必ず書かれた日付が記載されています。まずはいつ書かれたのかを確認しましょう。

当然のことながら、後に書かれた遺言のほうが故人の亡くなった日に近い日に作成されている、と判断できます。

そのため、故人の最終的な意思としてより有効であると認定されます。

例えば、10月20日に書かれた「財産をすべて妻に相続する」という遺言に加えて、10月30日に書かれた「財産をすべて子に相続する」という遺言が出てきた場合は、10月30日に書かれた後者の遺言が認定され、財産はすべて子供に相続されます。

ただし、双方の遺言の内容に矛盾がない場合はどちらの遺言も有効なものとして扱われます。

例えば、10月20日に書かれた「家は妻に相続する」という遺言に加えて、10月30日に書かれた「車は息子に相続する」という遺言が発見された場合はどちらも有効となるので、家は妻に、車は息子にそれぞれ相続されます。

なお、日付は直筆かつ月日が明確に特定できるものでなければ認められず、遺言そのものが無効となってしまいます。

 

□遺言の種類は一切関係ない

 

相続問題に詳しい方なら、遺言には2種類あることをご存知かもしれません。

遺言には故人が自ら書く「自筆証書遺言」と公証人が作成する「公正証書遺言」の2種類があります。

一見すると、公証人が作成した「公正証書遺言」のほうが、より効力がありそうですが、この2種類の遺言に効力の違いは全くありません。

また、公正証書遺言の内容を自筆証書遺言で訂正することも可能です。

そのため、仮に公正証書遺言の後に書き直した自筆証書遺言が発見されたのであれば自筆証書遺言が効力を持つことになります。

 

ご覧いただいた通り、遺言は基本的に「遅いものが有効」と定められています。

なお、遺言の種類は有効性に影響を及ぼしませんので考慮する必要がありません。
しかし、日付の書かれ方や遺言の内容の矛盾など他にも考慮すべき項目があります。
そのため、2通以上の遺言を発見した場合は冷静に内容を見比べて、どちらが有効なのかを判断しましょう。

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